新型出生前診断で分かる障害と確率。安易に受けてはいけない理由とは

Pocket
LINEで送る

妊婦さんやその家族にとって、お腹の赤ちゃんが健康に産まれることは何よりの願いです。

産まれて来る前に赤ちゃんの状態を知る方法があったら、あなたはどうしますか?

 

検査を受けたいですか?

 

今回は2013年に導入された新型出生前診断についてのお話です。

スポンサードリンク

1.新型出生前診断とは?

adult-baby-background-bump-clothes-female-girl

産まれる前にお腹の赤ちゃんに先天的な病気がないか•奇形や障害がないかを診断するには、母親や赤ちゃんにとって安全な非侵襲的方法と、リスクを伴う侵襲的な方法とがあります。

これまで非侵襲的方法の主流は超音波検査やMRIなどの画像診断でした。安全な反面、その時の見え方や医師によって診断が分かれる、精度が低い、内臓の機能の異常を見つけられないなどの問題がありました。

侵襲的な方法としてはお腹に針を刺して行う羊水検査や絨毛採取、胎児から直接採血するなどがあります。

この方法は非侵襲的方法に比較して精度が高く、より多くの情報が得られることが特徴です。しかし、医師の熟練を必要とし、低い確率ではあるものの破水や流産につながる問題がありました。

 

新型出生前診断は、2013年に導入された母親の血液を採取するだけで胎児の病気の有無が分かるという画期的な方法です。医学的には無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)と呼びます。

 

NIPTは日本産婦人科学会が認定した施設でのみ行われており、検査を受けるにはかかりつけの産科施設からの紹介が必要になります。

 

 

2.NIPTで分かること

NIPTで分かるのは3つの染色体異常による病気の有無です。

•13トリソミー…第13番染色体の異常です。脳や顔•目の発育異常や精神遅滞、身体が小さい、心臓の異常、難聴などを併発します。

•18トリソミー…第18番染色体の異常です。エドワード症候群と呼ぶこともあります。6000人に1人の割合で発生し、産まれた子供には心臓や肺、消化管、腎臓などに異常が多く見受けられます。

•21トリソミー…いわゆるダウン症です。精神遅滞や低身長、特徴的な顔立ちが見られます。心臓や甲状腺など、内臓機能の先天的異常を併発することも多いようです。

上記以外の先天的な疾患については分かりません。

 

 

3.検査費用

出生前診断に関わる診察費、検査費などは全て自費となり、保険適応となりません。

医療機関ごとに費用は異なりますが、20万円ほどかかります。

 

 

4.検査の対象となる人

スポンサードリンク

NIPTの検査対象となる妊婦さんは胎児に先天的異常を生じている可能性が高い、ハイリスクな場合に限られています。

1)出産予定日の時点での年齢が35歳以上である。

2)13トリソミーや18トリソミー、21トリソミー(ダウン症)の胎児または赤ちゃんを妊娠•出産したことがある

3)妊婦さんか夫のどちらかが、遺伝的に上記の染色体異常の素因をもつ場合

4)今回の妊娠について、別の出生前診断により染色体異常の可能性が示唆されるとき

今のところ、上記以外の妊婦さんはNIPTを受けることが出来ません。

 

5.NIPTの検査の特徴と限界

475879289_6fb2964f71_m

NIPTの特徴は、検査方法が非侵襲的であることと、高い陰性的中率を示すことです。

結果が陰性になった場合、お腹の赤ちゃんが対象となる病気にかかっている可能性は極めて低くなります(99.9%)。陰性の結果は信頼性が高いので、検査を受けた両親は精神的に安心します。

また、結果が陽性であった場合にも心の準備ができる、出生後の生存率を上げる為に妊娠期から可能な治療を考慮出来るというメリットがあります。

 

しかし、この検査には限界があります。それは陽性となった場合の的中率が年齢に依存していることです。

35歳の妊婦さんが検査を受けて陽性となった場合に、お腹の中の赤ちゃんが本当に該当トリソミーである確率(陽性的中率)は84.3%だそうです。残りの15.7%はそうでないと判断されます。陽性的中率は加齢に伴って精度が上がり、40歳では95.3%、44歳では98.6%になります。

 

陽性の結果は確実ではないので、確定診断のために羊水検査や絨毛採取などの侵襲的な検査が必要です。にも関わらず、NIPTが導入されて1年の間に検査を受けた8000人の妊婦さんのうち2人は、確定診断を受けずに中絶を選択したそうです。

 

また、出生前診断で医師から「異常なし」と言われ出産したところ、産まれた赤ちゃんがダウン症で生後3ヶ月で亡くなったケースは訴訟問題に発展し、「医師側の誤告知により夫婦は中絶の選択機会を奪われた、心の準備や養育環境の準備の機会を奪われた」として、裁判は原告である夫婦の勝訴となりました。

 

このニュースを皆さんはどう思いますか?

私はこのニュースを聞いてちょと違和感がありました…。

 

確かに予想に反して先天的な病気の子が産まれたこと、そしてその子が亡くなってしまったことに対するご両親のショックと悲しみは計り知れないものがありますが、医師が責任を負うべきことなんでしょうか?ちょっと酷な気がします。

 

出生前診断に100%確実はないという事前の説明を医療機関側が怠ったという指摘であればもう少し納得できるかなあ。

受ける側も診断に反する結果が起こりえることを了解した上で検査を受けるべきだと思いますし。

 

この訴訟結果が前例としてその後の裁判に引用されることにならないと良いのですが。

 

 

6.母体血清マーカー検査と何が違うの?検査できる時期は?

NIPTと似た出生前診断に「母体血清マーカー検査(クアトロテスト)」があります。違いを確認しておきましょう。

 

NIPTは母親の血液に含まれる胎児由来の遺伝子を調べる方法です。検査対象となるのは、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの3つの病気です。判定結果は陽性または陰性として出ます。

母体血清マーカー検査は、母体の採血結果に母親の年齢や体重を加味して、胎児に病気をもっている確率を算出する方法です。検査対象は21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管欠損症の3つの病気です。

母体血清マーカー検査の方がNIPTより精度が劣ると言われていますが、どちらの方法も確定診断にはなりません。

異常が疑われる場合は羊水検査や絨毛検査で確定診断をすることになります。

 

確定診断の実施やその後の選択を加味して、NIPTを受けるなら妊娠10〜15週の間に、母体血清マーカーを受けるなら妊娠15〜16週頃までに検査することが望ましいと言われています。

 

 

7.出生前診断は受けるべき?個人的見解とまとめ

9182929407_1cacb26855_m

今回は新型出生前診断のお話でした。

これは私の個人的な見解として受け流して欲しいんですが、出生前診断を受けるべきかどうか迷っている人は、迷うくらいなら受けない方が良いと思います。

出生前診断を受けようかなと思うのは、元気な赤ちゃんが産めるという安心が欲しいから…。そうじゃありませんか?

 

確かに、良い結果が得られれば安心できますので、受けて良かったと思うでしょう。

でも、望まない結果だったら…?

 

生まれる前から、重大な悩みが増えてしまいます。四六時中、検査結果を眺めてため息をつくことになるのではないでしょうか。あと何日までに産むかどうか決めないと…という焦りや葛藤も生まれます。

 

私は次女の出産に際し、35歳だったこともあってクアトロテストを受けるか一瞬迷いましたが、「結果が思わしくなかった場合にお腹の赤ちゃんをどうするのか」の選択権を握ることが怖くて検査を受けませんでした。

 

出生前診断では分からない先天的な異常や疾患が沢山あるなかで、医療技術が発展したばかりに特定の疾患をもつ胎児が生まれる機会を奪われることについて倫理的にどうなのか、生まれた結果が「医師や親のどちらかのせい、誰かのせい」になることは問題なんじゃないのかと議論されています。

 

客観的な観点から、当然の議論だと思います。

でも、自分に置き換えて考えた場合、私はそれ以上に「親である自分がお腹の赤ちゃんを産むかどうか悩まないといけないこと」が怖いです。

 

「こういう結果ならこうする」と決められる人だけ受けるべきなんじゃないかな…。

軽い気持ちで受けない方が良いのでは。

 

皆さんはどう思われましたか?

 

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。

sponsored link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)